最初の1台の選び方 ~車種紹介編~
「最近運動不足だからなー」もしくは「自転車通勤したいなー」もしくは「弱ペダの巻島さんカッコいいなー」でもなんでもいいです。
きっと理由は千差万別でしょう。
ですが、貴方はいまスポーツバイクに興味を持っています。
そしてネットで検索して近所のサイクルショップへ向かいました。
「・・・なん・・・だと!?」
恐らく初めてのサイクルショップの空気感に気圧されたことでしょう。
勇気を出して店員さんに話しかけたものの「この人、外国人ですか?」と思うほど何を言ってるか理解出来なかったことでしょう。
しかしここでよくわからないまま店員さんに流されて購入を決めてはいけません。
最初の1台が自分に合わないときっと楽しくないでしょうし、すぐに乗らなくなってしまうでしょう。
そこで今回は初めてのスポーツバイクの車種選びや注意点を書いてみたいと思います。
スポーツバイクと言っても色々なジャンルが存在します。
それを理解せずに買ってしまうと後からこっちの方が良かったとなったり、用途と合わずに苦労したりします。
もちろんどれも自転車なので我慢すれば使えるでしょうがやっぱり大切な愛車は長く乗りたいですもんね。
そのためにはそれぞれの大まかな特徴を把握して、貴方の用途に一番近い車種を選ぶようにしましょう。
以下、車種ごとの簡単な特徴や用途をご説明致します。
※イメージしやすいようざっくりなので厳密に言うと違う部分もありますがご了承下さい。
また、画像は拾い物です。
ハンドルがぐるーんとなっていて(ドロップハンドル)、ロードレースにも使われています。
より遠くへより速く行くために生まれた車種で、非常に軽く、自転車自体の運動性能が高いです。
一般的にスポーツバイクと言われてイメージするのがこの形ではないでしょうか?
価格はピンキリですが、ちゃんとした物ですと8万円以上くらいが目安かな?
高い物は100万を超えますが、レースに出るわけでもないならある程度以上は自己満の世界です。
自転車で走ること自体を目的としたい、スポーツとして自転車に乗りたい、50km以上の長距離を走りたいという方に向いています。
逆に、自転車で散策や食べ歩き(総称してポタリングといいます)をしたいという用途にはちょっと向かないでしょう。
なぜならロードバイクは盗難率が高く、長時間駐車は非常に危険だからです。
なお、かなりの前傾姿勢になるため上半身も鍛えられ、カロリー消費量もその他の自転車より高いらしいです。
一般的な巡航速度は20~30km/h程度。
ロードバイクとマウンテンバイク(山道を走れる自転車)を合わせた(クロス)自転車です。
ロードバイクの運動性能とマウンテンバイクの頑丈さを兼ね揃えた車種という売りですが、中途半端感が否めないのも確かです。
しかし街乗りには非常に便利で、ママチャリの延長感覚でスポーツバイクを体感出来ます。
盗難率はママチャリよりは高いですが、施錠や駐輪方法に気をつければ数時間程度の散策なら安心出来ると思います。
価格は5~10万といったところです。
(1~3万程度で買えるなんちゃってクロス(通称ルック車)も存在しますが、ママチャリのパーツを取り替えてクロスっぽくしているような粗悪品ばかりなので間違っても買ってはいけません。)
注意点としてはロードバイクに憧れているのに値段等の理由でとりあえずクロスを買おうという思考回路に陥った場合は決してお勧めしません。
数カ月後には必ずロードバイクが欲しくなるからです。
普段使いメインだけど気持よく走りたい、たまにそれなりの距離を走りたいという方にはお勧めの車種だと思います。
一般的な巡航速度は15~25km/h程度。
ロードバイクのようにぐりーんとしたハンドルに太いタイヤと泥で汚れても大丈夫なブレーキが付いた車種です。
シクロクロスという山道を走ったり自転車を抱えて坂を登ったりする競技に使われており非常に丈夫です。
パンクしづらく雨天でもしっかりブレーキが効くので通勤や街乗りに最適ですが、やや重くタイヤも太いため絶対的な速度はロードバイクには及びません。
また、盗難率もそこそこ高いため駐輪には多少気を使うでしょう。
価格は15~40万くらいが一般的でしょうか。
ドロップハンドルの自転車に乗りたいけど舗装路以外も走るよという方には良い選択肢になると思います。
一般的な巡航速度はどうだろう?
あまり飛ばしている人を見ませんがクロスと同じくらいだと思います。
・ピストバイク
一昔前にこの車種にブレーキを付けずに乗り回すのがオシャレだという愚行がファッション自転車乗りの間で流行り問題となりましたがいまはブレーキ必須となっています。
一見ロードバイクに見えますが、大きな違いは変速ギアが無い固定ギアの自転車というところです。
また、同じ固定ギアでもペダルを漕いでいないときに後輪が空転するタイプと後輪と一緒にペダルも回り続けるタイプがあります。
ペダルが回り続ける方は坂道でもペダルを止められないので慣れるまでは怖いです。
しかし、ペダルを無理やり止めたり逆回転させたりして後輪をロックさせてブレーキをかけたりリアを滑らせたりするスキッドという技術が使えるのもこのタイプのため一定層に人気があります。
自分も子どもの頃に乗っていたことがあるのですが一番の魅力はペダルを漕ぐ力がダイレクトに地面に伝わっている感覚だと思います。
これはロードやクロスでは味わえません。
また、変速が無いためメンテが楽という利点もあります。
普段着で颯爽と街を走りたいという人に向いているでしょう。
ただし固定ギアのため坂には弱いです。
ちなみに競輪の自転車もピストの一種です。
平均的な巡航速度は付けているギアに左右されますが20~30km/h程度は余裕でしょう。
価格は7~15万くらいがメジャーだと思います。
・フォールディングバイク
これをスポーツバイクと呼ぶかは疑問ですが、愛好家が多いジャンルなので購買候補になり得ると思い一緒に解説します。
ちゃんとしたメーカーのものは小型で簡単に折り畳めてタイヤ1個分とほぼ変わらないサイズに収納できます。
また、タイヤが小さいので初期加速が良く、信号の多い都会では意外と速いです。
ただし、段差等には弱いのでしっかり減速するのが大切です。
街をぶらぶらしながらお店に入るときにサッと畳んで持ち歩いたり、疲れたら帰りは輪行(電車で自転車を運ぶこと)したりという用途に向いています。
オフィスのロッカーなんかにも大抵入るので通勤で使ってロッカーに仕舞うなんていうオシャレな使い方もいいですね。
有名なメーカーとしてはダホンやブロンプトンなどがあり、逆に無名の粗悪品が多いジャンルでもあります。
価格帯は4~50万くらいとピンキリですが高いほど趣味性が強くなります。
また、折りたためない代わりに走行性能の高いミニベロという車種もあります。
他にもランドナー等の車種がありますがマニアックなので割愛します。
ここまでの解説を読んで頂いて一番キュンキュンした車種を候補にするときっと幸せになれると思いますよ。
ただし自転車の魅力に取り憑かれると違う車種にも乗ってみたくなるのでその場合は自己責任で・・・。
次回は欲しい車種を決めたあとの具体的な選び方を解説したいと思います。